前回の実験では市販の防湿ケースの防湿性能を比較しました。今回は同様の方法を用いて、自作防湿ケースとジッパー袋の防湿性能の比較を行ってみました。

今回比較するもの

今回の実験では前回使用したイノマタ化学の乾物ストッカー6.0や謎の中華4Lのケースに対して、自作の防湿ケースを比較することが目的です。せっかくなのでジッパー付きの食品保管袋もついでに実験することにしました。

(1) イノマタ化学乾物ストッカー6.0 (608円)
(2) 謎の中華4Lのケース (1123円)
(3) 自作防湿ケース (4500円)
(4) クレハ マチ付きフリーザーパック L (28円/1枚)
(5) ダイソー フリーザーバッグL (11円/1枚)
(6) お米保存袋 アルミ箔袋 (140円/1枚)

防湿ケースを自作する

前回の実験でイノマタ化学が最強だということはわかってましたが、高さが30cmほどあり、棚に置くと場所をとってしまいます。中華ケースは高さフィラメントスプールがぴったり入るサイズなのに横幅が12cm近くあり、これも保管効率が良くありません。日本の狭い家では スペースもコスト と考えるべきです。世の中に存在しないのであれば作るしかない!

ということで3Dプリンターで作ることにしました。一般的なフィラメントスプールがぴったり入る最小サイズを目指します。問題は使用するマテリアルを何にするかです。一般的な防湿ケースは主にポリプロピレンを使用しますが3Dプリンターで扱うのは困難です。ChatGPTに相談するとPETが比較的透湿性能が高く、PETGは次点とのこと。そこで中身が見えるように壁面をPET板にして、フレームをPETGで作ることにしました。

本体とフタをカチッと嵌める構造にしています。当初は固定する部分を長辺に配置していたのですが、そうすると横幅が広くなってしまい、当初の目的から外れてしまいます。そこで短辺に配置して、長辺のしなる部分は中央に向けてゆるやかなカーブを付けて、均一に密着させようという作戦です。パッキンはTPUを使用しました。

FDM方式の3Dプリンターでは中空部分にサポートが必要なので、このように大量のサポート材が使用されています。(Bambu Studioでサポートを自動にしたらなぜか付かなかったんだけど、時々これ絶対に失敗するよなって形状でサポート付かないことありますよね)

材料の約半分がサポート材という無駄の塊です。ちなみにメインのフレーム部分がPETGで、サポート材がPLAです。PETG同士のサポートは固着してきれいに取れませんでした。PLAとPETGはくっつかないのでサポートには適してます。今回は余っているPLAの激安フィラメントがあったので、それを消費するのも目的でした。本当は白いフレームで作りたかったんですが切らしてしまい、黒で作りました。

パネル部分は上下左右前後の計6枚で、2mm厚のPET板を使いました。加工費を含めて3700円ほどかかりました。今回は1組だけだったので高いですが、枚数が増えればコストは劇的に下がります。

これを接着剤でフレームに取り付け、TPUのパッキンを入れてカチッとフタをすれば完成です!

とてもコンパクトで、中のフィラメントも見えていい感じですね。本当は白いフレームだともっと見た目が良かったです。透湿性能の高い材料も使ったし、これでフィラメントの超省スペース化が実現できるかも!?

実験方法

実験方法は前回と同じように、水を入れて袋の中に容器を置いて、湿度の変化を見る方法で比較します。

前回は実験にとても長い時間がかかったので、今回は変化が早く見られるように乾燥剤のシリカゲルの量を10gから5gに変更しました。

実験結果1 湿度の変化

前回の結果からイノマタ化学の乾物ストッカーが非常に高い性能だというのがわかっていましたが、今回の実験でも最強クラスだということがわかりました。

試験最終日の4/17の結果ではイノマタ13%、お米袋12%と、お米袋がトップの成績になりました。1%は誤差の範囲内ですが、お米袋は1袋140円と安いのがメリットです。

ただ私の重要視するのは、
・出し入れがしやすいこと
・中身が見えること
なので、お米袋をメインでは使う予定はありません。たまにしか使わないクッソ高いフィラメントを保管するときに使ってます。

自作ケースはダメダメでした。ほんとにひどい結果w。見た目では完全密閉されて、どこにも湿気の通り道なんて無い!と自信満々だったんですがだめでした。何がだめだったのかわかりません…。

食品用のジッパー付き袋もフィラメントの保管には適してませんね。ダイソーの方が若干性能が悪いですが、ダイソーの方が袋が薄かったのためと思われます。

そして最強だったのがお米袋。アルミ箔をフィルムで挟んだ構造になっているそうで、安いのに最も防湿性能が高いという結果になりました。しかし出し入れするのにいちいちジッパーを閉じないといけませんし、中身が見えないので不便です。

実験2 シリカゲルの重量

約2週間の実験終了後のシリカゲルの重量を測ってみました。実験開始時の重量は 5.00g です。前回は坂本石灰工業所の「なんでも除湿シリカゲル 1kg」を使用しましたが、今回は中華ケースにおまけで付いてきた謎のシリカゲルを使用しました。

設置場所重量増分 (%)
イノマタ化学 6L5.37g 7.4%
中華4L容器6.02g20.4%
自作ケース6.82g36.4%
クレハ ジッパー袋6.59g31.8%
ダイソー ジッパー袋6.70g34.0%
お米保存袋5.32g 6.4%

数字でみるより明らかな結果だこりゃ!オレンジ色を保っているのはイノマタとお米袋、それ以外は緑色になっています。

今回は湿度99%という中に長時間置くという、実際とはかけ離れた極端な実験条件でしたが、こんなにも違いが出るものなのだと驚きました。私はすでに中華4L容器に全て入れ替えてしまったので、これから夏を無事に過ごせるのかちょっと心配です。

最後に

先日テスコムさんが、自社の低温調理器が本来の調理以外の目的で使用されていることを把握しているかのようなネタ投稿をしてました。

イノマタ化学さんもぜひ、一部の界隈ではフィラメントの保管に使用されていることを知っていただき、フィラメントのサイズにぴったりな製品を出してほしいですね!

LINEで送る
Pocket