3Dプリンターのフィラメントの防湿ケース(ドライボックス)として、以前はダイソーの330円の密閉タッパーが使用されていましたが、終売になってからはイノマタ化学の乾物ストッカー 6.0がよく使われています。海外の人が使っているケースを見ると、イノマタよりも高さが低いコンパクトな4Lのケースを使っているのを見かけます。保管することを考えると小さい方がいいので、どのくらい防湿性能があるか実験をしてみました。

実験方法

高湿度の環境の中に防湿容器を入れて、内部の湿度変化を調べました。また内部には少量のシリカゲルを入れて湿度変化を見やすくするとともに、実験終了時の重量を比較してみました。高湿度を保つ方法として、水を入れたゴミ袋を用意して、中に容器を入れて密閉する方法をとりました。

容器が直接水に触れないように台の上に載せています。ゴミ袋を密閉することで中の水が蒸発して高い湿度になるようにしています。

この状態のまま2か月ほど放置して、湿度の変化を見ることにしました。

実験対象

SwitchBotの温湿度計を入れて、以下の湿度変化を比較しました。
(1) 高湿度の環境
(2) 中華4L容器の中
(3) イノマタ化学乾物ストッカー6.0の中
(4) PETG容器の中


PETG容器はおまけで、PETGで作った10cmほどの瓶です。
また、中に入れたシリカゲルはそれぞれ 10.00g です。

実験結果1 湿度の変化

内部の湿度が低いほど性能が良いということです。青い線が周囲の湿度で、おおむね平均80%以上になっています。湿度は温度によっても変化するので実際には95%のときもあります。

これを見るとイノマタ(黄)に比べて中華(赤)の方がより早く吸湿しているのがわかります。2か月後の実験終了時点でイノマタは40%、中華は56%という結果でした。一方PETG容器はそれよりも低いですが、50mlくらいしか容量のない容器なので、これらと比較すべきではないでしょう。同じサイズのもので比較すれば結果は変わってくると思います。

平均湿度80%が何か月も続くことは、さすがの高温多湿の日本でもない厳しい環境での実験なので、実際には中華容器の方がちょっと乾燥剤の交換が早いかな、と感じるくらいかなとは思ってます。

実験2 シリカゲルの重量

2か月間の実験終了後のシリカゲルの重量を測ってみました。実験開始時の重量は 10.00g です。坂本石灰工業所の「なんでも除湿シリカゲル 1kg」を使用しました。安くてたくさん入ってるのでおすすめです。

設置場所重量増分 (%)
容器の外13.26g32.6%
中華4L容器12.56g25.6%
イノマタ化学 乾物ストッカー6.011.98g19.8%
PETG瓶11.64g16.4%
中華4L容器(パッキンなし)13.14g31.4%

容器の外、つまり高湿度の環境に置いたシリカゲルはおそらく吸湿量の限界でしょう。A型シリカゲルの吸湿量は25〜35%程度のようです。これに比べてイノマタ化学はまだ限界まで余裕がありますね。

中華4L容器(パッキンなし)というのは、別のショップで同じ容器を買ったのですが、丸い部分のパッキンが付いてないものが届きました。写真と違うものが届く、説明と違うものが届く、リピートしたのに前回と違うものが届く。中華通販あるあるなのであきらめましょう。文化の違いです。

温湿度計が足りなかったので湿度変化の実験はしてませんが、シリカゲルの重量を見ると完全に吸湿してしまっていますね。

結論 どちらにするか?

防湿性能だけを見ると、イノマタ化学の乾物ストッカー6.0の方に軍配が上がります。

イノマタ化学乾物ストッカー6.0の良いところ
・防湿性能が高い
・安い(608円)

イノマタ化学乾物ストッカー6.0の悪いところ
・高さ30cmほどあり場所をとる
・フタが開けづらい

中華容器4Lの良いところ
・高さ24cmほどでコンパクト
・フタが開けやすい

中華容器4Lの悪いところ
・イノマタ化学より性能が劣る
・天井なしランダムガチャ(買うたびに違うものが届く)
・高い(1000~1200円)

以前はこのようなドライボックスを作って直接3Dプリンターに供給していましたが、最近AMSを使うようになりました。そうなるとフィラメントの出し入れ回数も増えて、イノマタ化学の柔らかいフタを外すのがちょっと面倒だと感じています。中華容器は四隅をカチッと固定する方式なので簡単です。場所も取らなくていいです。

ただし横幅は中華容器の方が広くて115mm、イノマタは102mmです。10個横に並べると差は13cmにもなります。まぁ、誤差みたいなもんですが。

余談・収納効率の高いドライボックス

1個1個保管するのではなく、複数本まとめて保管した方が保管効率は高いです。私が使っているナカバヤシの27Lのドライボックスは3本x2列の計6本が収納できます。

収納効率を追求したいならケニスのTW-140DFというドライボックスが、フィラメント4本入ります。フタも透明で中が見やすいです。ただし価格が5000円程度と高めです。

3Dプリント界隈で有名なのがJEJアステージの#25でしょうか。幅約30cmで横向きで5本入るそうです。

あとは棚に置いて取り出しやすいかどうか。たくさん収納できるケースはそのぶん重いので、棚の上の方に置くのは大変ですし、中の色がわかりにくいというデメリットもあります。限られた保管スペースで効率よく収納できるドライボックス探しはまだ続きそうです。

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