以前作成したイノマタ化学 乾物ストッカー使用 フィラメント用ドライボックスを組立しやすいように改良しました!

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旧バージョンの問題点

旧バージョンは組み立てるまでの手順が多く、製作に時間がかかっていました。ネジを止めるための穴を9ヵ所も開ける必要があり、穴あけ位置が少しでもずれると部品にネジが入らなくなるため、慎重な作業が求められました。

旧バージョン

これが1つや2つくらいならそれほど苦にもならないと思いますが、たくさん作るとなると面倒くさいなーって思うようになりました。

新バージョンで改良したところ

新バージョンでは穴の数を減らして、最低限必要な1つだけにしました。今まではスプールを中心のホルダーで支えていたのですが、スプールは中吊りにしたいと思っています。下にローラーを並べてスプールを置くタイプのスプールホルダーをよく見かけますが、紙製のスプールだと自重で変形してしまい、引っかかってしまうことが多々ありました。そこで中吊りにしつつも、ホルダーは下から支える形状にしました。

嵌め込み方式

私がメインで使っている3DプリンターはBambu Lab A1 Miniなので、造形サイズは180x180mmしかありません。この3Dプリンターでも造形できるように、分割して出力してから嵌め込む方式にしました。

半分にした土台に繋ぎ目の凹凸を付けて2つ作成し、それを180回転して嵌め込めば大きな造形物が作れます。繫ぎ目のクリアランスは0.15mmにしてあります。

フィラメントが膨張してはみ出てしまうので、サイズぴったりで作ってしまうと嵌らなくなってしまいます。A1 Miniの場合、0.1~0.2mmくらいが手で嵌めるのに硬すぎず緩すぎずといった感じでした。

そのほかの部分も嵌め込む方式にしました。ただし湿度センサーを固定するホルダー部分は落ちると困るので、クリアランス無しで作成しました。そのため手では固く、工具で固定する必要があります。

ネジの作成

難しかったのがフィラメントを取り出す部分のネジ構造です。今回はフィラメントの取り出し口をネジ構造にして、ケースの外側からナットで固定するようにしました。Fusion360にはネジを作る機能があり、こんなネジも簡単に作れてしまいます。

ところがどっこい、これをそのまま出力しても入らないんです。FDM式の3Dプリンターではこの通り精度は出ないので、このままだと固くて入りません。直径を変えるとネジ山が合わなくなり、かといってクリアランスを調整する設定箇所も見当たりません。ネットを調べてみると、「面をオフセット」を使うと良いという情報を得ました。

ネジ山の表と裏を0.1mmほどオフセットしてみたところ、少し固いですが入るようになりました。素晴らしきネットの知恵!

斜め92度がポイント

ダイソーの5.5L容器と比べ、イノマタ化学の乾物ケースは横幅が広くありません。また底から上に行くほど広がっていく逆台形の形状をしています。この横幅のスペースを有効活用すべく、ホルダーの支柱を92度の角度で固定するようにしました。

これでケースの側面にほぼぴったり嵌りました。

今後改良したいところ

ベアリングいらなくないですか?ベアリングをやめて普通に3Dプリントしてもうまく回りそうな気がします。

ベアリングの内径がΦ8mmなのでローラー部分との接合部が細く、折れやすいのもネックです。積層方向の弱い部分が細いので、それを補強するために中心に小さな穴を開けてるのですが(そうすると壁が作られて中空にならない)、それでも落としたら簡単に折れてしまいました。まだ改良が必要そうです。

最後に

旧バージョンと比べてフィラメントの使用量は大幅に増えてしまい、1つ分を作るのにA1 Miniだと3回出力しないいけなくなりました。支柱部分を分解すればプリント回数は減りますが、そうするとパーツが増えて組立が面倒になります。でも実際、Bambu Studioでポチッとして後は放っておけばいいんですから、別の作業をしながらポチッ、ポチッとしてればいいですね。

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