
切手にはいろいろな額面があって、郵便物の種類やサイズによって使い分けます。これ、面倒だから1つにしません?
今回はいつもの技術的な話題から離れて、コラム的なことを書いてみました。
現状の問題点(不便な点)
現在は郵便物の種類やサイズによって郵便料金が変わるので、それぞれの額に合った切手を用意する必要があるのですが、必要な時に必要な額面の切手が無くなってしまったり、逆に使わずに余ってしまうことがあります。数年もすると値上げされ、追加の切手を貼らなくてはならなくなります。日本円という草コインの価値が下がっているせいで、金額の合わない切手がどんどん増えていきます。
QRコード切手が全てを解決する
QRコード切手の使用手順
QRコード切手を使う手順を考えてみました。
- 1. 郵便局で空のQRコード切手を買う(1枚5円くらいで)
- 2. 郵便物に貼る
- 3. 上面のシールをはがす
- 4. 現れたQRコードをスマホのアプリで読み取り、郵便料金を払う
- 5. ポストに投函する
QRコード切手を買った段階ではQRコードは見えず、二重になっているシールの上の面のシールをはがすとQRコードが出てくる感じです。
QRコードに含まれるデータ
一意のIDが入っているだけです。そのIDに紐づいてサーバー側で管理します。製造時に印刷する時点でDBへ登録されます。IDはUUID形式など、予測不能なものにします。
使うときに支払うのが最大のメリット
出したい郵便物のサイズが変わっても、使うときに料金を払うので、様々な金額の切手をストックしておく必要がありません。郵便料金が変わってもQRコード切手は使い続けられます。
住所を書かずに出すこともできる
QRコードのIDと郵便物が紐づいているわけですから、そこに差出人や宛先の情報を入れることもできます。ただ配達するときには印刷されてないとわからないですから、局内で印刷する仕組みが必要になります。イメージとしては、フリマサイトとかにある匿名配送みたいな感じです。
「テプラ切手」
テプラ(キングジムのラベルプリンター)でQRコード切手の購入から印刷できたら、手元に切手が無くても出せますね。テプラさん、日本郵便と提携してくれませんか?
あ、うちのラベルプリンターはP-TOUCHでした。ブラザーさんお願い!
QRコード切手のデメリット
デメリットや懸念点も考えてみます。
たくさん出すときは手間が増える
1枚1枚QRコードをスキャンするのはたしかに面倒です。たくさん出す人は従来式の切手を使えばいいと思います。アプリで複数枚を一括スキャンする機能はあってもいいかな。
偽造されやすくないか?
現在の切手には偽造防止対策がされていますが、QRコード自体はただのデータなので、それをコピーされたら不正利用されてしまいます。従来の切手の偽造防止技術と、DBに保存された使用状況を組み合わせて使えば、今以上に強固になると思います。
スキャンせずにポストに入れてしまったら?
従来の切手と運用は同じです。返送するか届け先へ請求する形で対応できると思います。
現実的には採用は難しい
出すときにQRコードをスキャンするという関係上、たくさん出す人にQRコード切手は向いてません。そのため実際には郵便物全体のうちごくわずかしか流通しないでしょう。そうなると日本郵便としてもQRコード切手の採用のメリットがありません。
こんなものがあったら便利だな、とはいっても現実的には難しそうですね。