Euro Truck Simulator 2という、トラックの運転をして配送のお仕事をするゲームがあります。VRでプレイできると聞いて試してみたところ、まるで本当に車を運転しているかのような感覚になり感動しました。すごいぞこれは!!

元々ETS2はセールで600円くらいで安かったという理由で買ったゲームだったんですが、キーボードで操作してたからなのか操作が難しくすぐにやめてしまいました。数年後…たまたまYoutubeで日本の道路をVRでプレイしている動画を見て、これはやってみたい!と思いはじめてみました。

ETS2をVRでプレイする方法

こちらのページを参考にしました。

私のHMDはPico 4で、記事はOculus Quest 2を想定していましたが、特に問題なくPico 4でも動作しました。選択したベータのバージョンは oculus – Oculus+OpebVR – 1.46 – (SDK 1.4.0)で、起動オプションは -oenvr です。あとはPico 4でVirtual Desktopを起動してSteamVRを起動、ETS2を起動すれば普通にVRで遊べるようになります。

操作はコントローラーで

Xbox ワイヤレスコントローラーを使いました。キーボードでは細かなハンドル操作ができませんし、HMDをかぶっていると現実世界にあるものは見えません。最初コントローラーで操作したところ、カーブや車線変更でなかなか方向が変わらず、ずっと押し続けてたら急に曲がり始めて、慌てて元に戻したら必要以上に戻ってしまい、うまく操作できませんでした。どうやらこのゲームは、自分が使いやすいようにステアリング感度の設定をする必要があるみたいです。

「なかなか動かないのに、あるとき急に動き始める」の原因は「ステアリング ノンリニア」でした。これを大きくしすぎると急激に動きはじめてしまい、かといってゼロにすると細かな操作ができません。ステアリング感度とのバランスをみながら、何度も繰り返して使いやすいようにしてみました。

ちなみにトランスミッションはオートマにしています。マニュアル車はシフト操作がめんどくさいですし、現実でも坂道でエンストしたトラウマしかないので、免許は持っててもオートマ車しか運転できないです。

まるで本物の運転だ!

この感動を平面の画面上で伝えることができないのが残念ですが、ほんともうリアルすぎて、本当に車を運転している感覚になります。トレーラーをけん引しているので曲がるときは内輪差を意識しながらサイドミラーを確認したり、ウインカーを出して後続車に知らせたり(これをしないと奴らは道を譲らず突っ込んでくる)、いろいろと周囲に気を使いながら運転するのは面白いです。

VRでプレイするところの良いところ、もう一つ目は、頭を動かして周囲の確認ができるところです。PCのモニターだとバーチャルミラーを表示したり、マウスで視点を動かしたりしないといけませんが、VRの場合は頭を見たい方向に向けるだけです。

グラボと画質設定

ぶっちゃけかなり重いです。おそらくRTX 3070Tiか3080あたりが快適にプレイできる最低ラインではないでしょうか。特にfpsが落ちるとVR体験が著しく損なわれるので、画質を落としてでもfpsを上げた方がいいです。じゃないと酔います。この辺は調整しながら試すしかないですが、特に「レンダリングスケール」は大きな影響を与えます。

私も最適値を見つけられてないので正解がよくわかってないですが、元々SteamVR側でレンダリングスケールを150%にしているので、ETS2側では低くしています。あとミラーのクオリティと描画距離は、車線変更の時にしっかり見えないととても困るので、ここは上げておいた方がいいと思います。

酔いやすい?

意外と酔わなかったです。最初コントローラーの設定がうまくできていなかったときは、画面がぐわんぐわん動いて酔いましたが、調整してからは全く酔わなくなりました。VRって自分が動いてないのに景色が動くから酔いやすいんですが、車に乗っていても運転手は酔わない、というのと一緒ですね。

音声操作をしたい

両手はコントローラーでふさがっていますし、HMDを外さないとキーボードの操作ができません。そんなときに便利なのが音声操作。VoiceAttackというアプリを使うと、音声操作でキー入力をしてくれたり、他のプログラムを実行してくれたりします。これと併せてVoice InというChrome拡張も使ってます。

よく使うのが「ですくとっぷ」です。PCの画面はフルスクリーンでゲームが表示されているので、Virtual Desktopでデスクトップを表示しても真っ暗な画面のままです。これを切り替えないとHMDのコントローラーで操作ができないので、まず最初にこれで画面を切り替えます。

やってることは ALT + TAB のキー操作です。こんな感じでキーボードを使わないとできない操作を設定しておけば、あとはHMDのコントローラーでマウスの操作ができるので、ある程度のことはHMDをかけたままできます。

主な音声コマンドの例

「ですくとっぷ」 フルスクリーンモードが解除される
「すたーとメニュー」 スタートメニューを表示
「いまなんじ」 現在時刻を喋るプログラムを実行する
「つぎのきょく」 次のトラックを再生するボタンを押す
「ろくがかいし/すとっぷ」 後述するOBSの開始と終了
「えんたー」 エンターキーを入力
「エスケープ」 ESCキーを入力
「まっぷ」 ETS2のマップを表示(Mキー)

ブラウザで音声入力で検索したい

Voice Attackはあらかじめ決めておいた音声コマンドを実行するものでしたが、Voice InというChrome拡張を使うと、喋った言葉をブラウザの検索フォームに入力できます。聞きたい曲を検索したいときも、Voice Inを使えばHMDをかぶったまま検索ができます。

ただ少しうまくいかなかったのが、「次の行」と喋るとエンターキーを押してくれるのですが、何度喋っても「次の業」と入力されてしまってうまくいきません。そこで、検索するときはVoice Inで入力した後にオフにして、Voice Attackで「エンター」と喋ってエンターキーを入力させています。

現在時刻を喋るプログラム

VBスクリプトで作ってみました。

Option Explicit
Dim sapi
Dim hh, mm, talk
hh = Hour(Now())
mm = Minute(Now())
talk = "ただいまの時刻は" & hh & "時" & mm &"分です"
Set sapi = CreateObject("SAPI.SpVoice")
sapi.Rate = -1
sapi.Speak talk
Set sapi = Nothing

好きな音楽を聴きたい

ETS2にはいろいろなラジオ局がプリセットされているのですが、もっと自分が好きな曲が聴けたらいいなぁ、と思って調べてたら、サイマルラジオのようなストリーム形式のURLを指定すればいいようです。でも設定ファイル直接いじらないといけないからめんどくさいし、URL調べるまでの手順もめんどくさい。それよりもっと簡単な方法を見つけました。

ブラウザで音楽を流す。PCで再生されている音はそのままHMDのスピーカーから出力されるので、ブラウザでYoutube Musicとか開いて再生するだけです。ETS2のオーディオ設定で、ラジオをミュートすれば、ブラウザで再生した音楽だけが流れるようになります。

動画を録画したい

ETS2のプレイ動画を撮る方法は2つあります。一つはHMD側の録画機能を使う方法、もう一つはPC側で録画する方法です。HMD側で録画するのは簡単にできますが、元々ストレージも大きくないので、長時間録画するのに向いていません。ということで、今回はOBS studioというソフトを使って録画してみました。

細かい設定方法についてはネットで検索していただくとして、まず最初にハマったのが、ETS2を録画しても画面が真っ暗になってしまったところです。どうやらVRモード時はデスクトップには何も出力しないようなので、ETS2の設定ファイルを以下のように修正しました。

設定ファイル: config.cfg
uset o_openvr_mirror_mode “1”

これでデスクトップにも映像をミラーリングしてくれます。ただし右と左それぞれの画面が表示されてしまっているので、そのまま使うとちょっと不自然です。そこで片側の映像だけをクロップするようにしました。

その他の設定

カーナビの表示位置を変更してみた

VRだとルートアドバイザーがハンドルの手前に垂直に立っていて見づらいです。そこで位置と角度を頭の上方向に調整してみました。

設定ファイル: config.cfg
uset r_manual_stereo_ui_pitch_game “25.0”
uset r_manual_stereo_ui_y_game “0.47”
uset r_manual_stereo_ui_dist “0.9”

交通違反の無い世界にする(=無法地帯という意味)

交通違反で罰金を取られないようにすれば、交通ルールを守る必要もなくなります。ETS2のオプション設定で「交通違反」をオフにすれば罰金は取られません。速度警告をオフにすれば、スピード違反の警告音も出ません。そしてスピードリミッターをオフにすれば、制限速度以上のスピードが出せるようになります。ずっと長い間これを知らずにちんたら走ってましたが、今はとても快適です。

常時給電

ETS2は割と長時間プレイするゲームなので、Pico 4の内蔵バッテリーでやると、すぐにバッテリーが無くなってしまいます。USBケーブルを接続して使用すれば充電しながら使用できますが、給電可能なUSBドックを使って有線LANで接続できるようにしてみました。

NICは家に転がってた適当なものでしたが、特にPico 4で設定することなく、普通に使えてしまいました。USB Type Cケーブル1本でなんでもできちゃうのは本当に便利ですね。

ということで、VR機器を持ってる人はぜひETS2をVRでプレイしてみてください。ほんと、リアルですから。ETS2はよく70% OFFとかセールをやっているので、ウィッシュリストに登録して安くなったら買うのがおすすめです!あと個人的には、開始時の拠点はイギリスにしておくと、日本と同じ左側通行で右ハンドル車になるので慣れやすいです。

 

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