第11回 EPIA専用・ファンレスケースの制作
〜 無ければ作ろうPCケース 〜




ファンがうるさい
いまだムーアの法則も健在で、CPUの性能は年々進化を続けています。 x86アーキテクチャのPCで、私が初めて買ったEPSON PC-286BOOKは12MHz。 恐ろしくクロックスピードが進化しているわけです。(恐ろしく歳もとっています(;_;))

CPUが高速になればそれだけ消費電力が増え、発熱量も増えます。 発熱量が増えれば空冷に必要な風量も増えるわけで、益々ファンの騒音に悩まされるわけです。 しかしここ数年の「静音ブーム」で、静かなPCを求める人が増えてきました。 もちろん私もその一人です。

VIAの省電力CPU C3 EDENを使用した EPIAシリーズ は17cm x 17cmという小ささもうけて、静音ファン(FANではなくFUN)の間で人気のマザーボードです。 今回はEPIA-M ME6000 (600MHz)とMaxtorの300GBのHDDで、バックアップ用のバックアップサーバー を構築することにしました。

小さければいいって問題でもない
実は仕事用のサーバーや趣味用サーバー(ホームページのやつ Piccolo)など、相次いでHDDがクラッシュしてしまい、 さすがにバックアップの必要性というのを感じました。 ほんと2.5" HDDってのはもろいです。すぐ壊れます。 そこで今回はMaxtorの 300GB のHDDが安くなってきたので、 これを使ってバックアップサーバーを作ろうと計画しました。

バックアップサーバーの条件
・ファンレスであること
・3.5" のHDDが乗ること
・キューブ型を下回る大きさであること

秋葉原中を歩いて探しましたがそんな都合のいいモノは見つかりませんでした。 2.5" HDDが搭載できるベアボーンキットはありましたが、 2.5" HDDなんかサーバーには向きませんし、容量も小さくて値段も高いので問題外です。

無ければ作る!
ということでやっと本題です。(前置きが長くてスミマセソ) 今回は多少の精密さが要求されるため、珍しく設計図書きました。 といってもメモ書きと言った方が近いです。(笑) ケースの素材は放熱性を高めるため、穴の空いたメッシュのアルミ板を使用することにしました。 千石電商のB1Fで買ったアルミ板を金ノコで切断しますが、これが結構大変。 秋だというのに汗だくだくでした。切断面をヤスリで削ってケガをしないように加工します。

次に折り曲げを行います。まず折り曲げやすいように折り曲げ箇所に、金ノコで溝を掘ります。 (そもそもこのようなやり方が正しいかは不明) 溝がまっすぐになるように定規で固定しています。溝を掘ったら90°に折り曲げます。 折り曲げる幅が広いため手で折り曲げるわけにはいきません。 そこで均等に力が加わるよう両側から板で押さえ込み、全体に力が加わるように折り曲げていきます。
  

組み立てる
折り曲げが終わったらさっそく組み立ててみます。 1mm程度の誤差はありますが、まぁ許容範囲でしょう。(^^;
続いてハードディスク用のマウンタを作ります。ヒロセで買ったL型のアルミ棒を適当な長さで切断し、 HDDのネジ穴と下のアルミ板の穴に合わせて穴を空けます。 はっきりいってこのアルミ板の穴の位置がクセモノです。 これは第7回 走る!マザーボード・ロボで苦労しました。 穴を開ける位置が元々空いている穴と微妙にずれていて、そのままドリルで穴を開けようとすると 刃先が滑ってしまうのです。ボール盤なんていう高価な機械はありませんし、 仕方ないので元々空いている穴に合わせて穴を開けていき、ずれたところはヤスリで削ることにしました。
 
実際にHDDを取り付けてみます。一見ピッタリのようにも見えますが、実は穴の位置が1mm以上ずれていて ヤスリでネジ穴を広げました。寸法をピッタリ合わせるのは案外難しいもんです。 次にACアダプターも内蔵させます。ACアダプターなので外に出してもいいんですが、 コンセント周りをすっきりさせたいこともあり、空間も余っているので内蔵することにしました。

ちなみにCD-ROMやFDDはありません。これは私のCD-ROM/FDD不要論 に基づき、インストール時にしか使わないんだったらいらないじゃんといった発想です。 どうしても必要ならネットワークでマウントすればいいわけで、小さくしたいPCにわざわざ 滅多に使わないドライブを付ける必要もないですよね。

直付けACアダプター化 電源キット
静音PCで一番ネックになるのはおそらく電源でしょう。 ファンレスで小さいもの、といった時点で市販のATX電源は全て対象から外れます。 今回使用したのはmini-box.comのPW-70Aです。 基板上にATXコネクタが付いていて、そのままマザーボードに直付けできるようになっています。 電源の入力はDC12Vの単一電源で済みます。

マザーボードにPW-70Aを取り付けてみます。ピッタリですね。 それもそのはず、PW-70AはEPIA-Mに合わせて設計されているのです。 ほんとよくできてます。作りは結構雑ですが、その辺に転がっている電源の中を見てみてもおそらく雑でしょう。 きっとこんなことにこだわるのは日本人くらいかな…。
そのほか、電源スイッチやLED(もちろんこれも自作)をケースに取り付け、 マザーボードをケースに取り付けます。
 

完成
 
おお、なかなかいいじゃん! と思わずうっとり…。嘘です。後ろを見ると全然寸法が合ってません。(笑) このままではブラケット(?)が外れてしまうので、両面テープで固定しています。

マザーボードの箱と比べると大きさがよくわかります。

これなら下駄箱に入れても邪魔になりません。

てゆうかそれ以前に、下駄箱にHUBがある時点で何か間違っている気が・・・。(^^;

なにはともあれこれで完成です!

涙無しには見られない続編へ

使用部品一覧
マザーボード EPIA-M ME6000 FRESH FIELD \14,600
電源 PW-70A ワンズ \8,500
アルミ板 300x400x1.5 千石電商 \1,530×2
アルミ棒 L型 1mm厚 ヒロセ \350位
ACアダプタ 12V 5A たぶんPiccoloの ???
メモリ PC2100 512B 俺コンハウス \8,380
HDD Maxtor 5A300J0 300GB 5400rpm T・ZONE \29,200
高輝度LED、PUSH SW、メガネコード、スペーサー、ゴム足等 千石電商 \1,130位

2003.11.03 by Kaz


戻る