第10回 ビールサーバーなWebサーバー
〜 ビア冷マシンの製作 〜





DOS/V POWER REPORT 2005年4月号(P.114) に掲載されました!!

サーバーなんだからWWWくらい発信できるんでしょ?
最近本家動く改造バカ一台では液没PCに 走っていますが、DOS/V POWER REPORT '2003.9号でNOBU氏までもが水冷に走ってしまうなど、 どうやら液体モノはこの世界では最もトレンディなようです。 冗談はさておき、水冷は熱源と冷却ファンを分離することができるため、PCの小型化が実現できるとともに 静音性の向上にも大きな効果があります。

ところで3年くらい前からでしょうか、よくテレビのCMでビールサーバーなるものを見かけるようになりました。 もちろんビールを美味しく飲むための機械なわけですが、サーバーと名前が付く以上、ホームページくらいは発信してもらいたいものです。 だったらビールサーバー型サーバーにしちゃおうじゃないか! そんなわけわからん発想のもと、制作をはじめました。

このビールサーバーは2年前の夏にあきばおーで買ったものです。 もちろんビールを美味しく飲むためではなく、当時から目的はサーバーです。(笑) (実は2年前に挫折して今回はリベンジです)

なんちゃってビールサーバー
今回使用するビールサーバーは、タカラから発売されている なんちゃってビールサーバーです。 ポンプで空気を圧縮し、レバーを倒すと空気が缶に入ってビールが出るという仕組みです。 商品名は胡散臭いですが、これで注いだビールはなかなかGOOD!
写真の一番右にあるのが空気を入れるポンプで、その後ろのあるのが圧縮した空気を溜めておくタンクになります。
これがポンプ・・・のはずでした。 ジャンク屋で買った正体不明のポンプだったんですが、いざつないでみると全然水が上がってきません。 完全に力不足のようでした。 せっかく写真まで撮ったので載せておきます。(;_;)

ケースの制作
今回はアクリル板を加工してケースを制作します。 使用したアクリル板は5mm厚と3mm厚のものです。 はっきりいって加工はめっちゃめんどくさいです。 改造バカの高橋氏もよく自分でケースを作ってますが、これってこんなに大変な作業だったんだと身をもって実感しました。 なんか指切って血出てるし…。(^^; 写真は左からマザーボードが乗る下側の板、フタ、2つを重ねたものです。

マザーボード
マザーボードはECSのP4VMM2という、 Micro ATXサイズのものを使用しました。 オンボードでLANとVGAが付いているため、今回のようなスペースに限りがあるPCにはぴったりです。 本当は中古のマザーボードを買うつもりでしたが、これなら新品で買っても6,480円。 なんでこんなに安いんだろう・・・。

CPU・水冷ヘッド
CPUはCeleron 2GHzです。 第8回華厳の滝PCの使い回しです。 水冷ヘッドは3R SYSTEMのPOSEIDONのものを使用しています。 水の流れは右側の写真で右から左方向へと流れます。 実はPOSEIDONに付属のSocket 478の固定金具がケースがつっかかって入らず、仕方ないのでホットボンドで固定してあります。 金属部分についたホットボンドは力を入れれば剥がせるので、一応使い回しはできると思います。

キリン ラガー ビール
なんちゃってビアサーバーには市販の缶ビールが取り付けられるようになっています。 今回は1リットル缶を使用しました。もちろん中身は胃の中です。(笑)
缶の中をホースが通っていて、そこからビアグラスへと注がれるようになっています。 ビアグラスの中にはPOSEIDONのポンプが入っていて、グラスに注がれた水はこのポンプでCPUへと再び送られるようになっています。 なお、冷却用のラジエーターは面倒なので付けませんでした。 自然冷却に任せたいと思います。(笑)

ちなみにこの大きなビアグラス、いったいいくらでしょう? なんと100円です。もう安すぎ。厚みもあり重量もそれなりです。 わざわざ4駅も離れたダイソーまで買いに行った甲斐がありました。 はっきり言って、私が普段使っている798円のグラスよりイイです。

レバーにこだわる
レバーと言ってもお肉じゃありません。 普通のビールサーバーの場合レバーを倒すとビールが出てきます。 同じように、レバーを倒すと水が出るようにしてみました。 もちろん通常は倒していないと意味ないですので実用度は0%です。
レバーの内側にマイクロスイッチを取り付け、レバーが倒れているときにスイッチONにするように配線しました。 ここにはAC 100Vが来ているので、ショートしないように完全に絶縁させてあります。

電源とハードディスク
電源は部屋に転がっていた適当なATX電源です。 ハードディスクはケースの中に納めるため、2.5インチのタイプにしました。 本当はアクリル板でハードディスクのブラケットを作ろうかと思ってたんですが、 面倒だったので両面テープで固定しました。

仮組みしてセットアップ
とりあえず仮組みしてOSのインストールを行います。 今回の目的はサーバーにすることなので、IDEインターフェースにはハードディスクしか繋がっていません。 CD-ROMはネットワーク共有すればいいという考えです。

CD-ROMを接続し、OSをインストール、その他以下のソフトをインストールします。
・AN HTTPD (WWW サーバー)
・Active Perl (CGI用)

Super π : 円周率1677万桁は熱い
Super πと言えばお湯を沸かすのによく使われるプログラムですが、 長時間走らせてみてどのくらいの温度になるか試してみました。 Celeron 2GHzでSuper πを1時間走らせた結果、水温は51℃まで上がりました。 Celeron 2GHzなら熱暴走もせず、ラジエーターも不要なことがわかりました。
ついでにHDBENCHでベンチマークしてみました。
左が今回のビールサーバー、右がうちのPC(P4-2.53GHz/512M/IDE RAID 1/GeForce4 Ti 4200)です。 CPUは当然劣りますが1/3の値段で買えるCeleronはやはりコストパフォーマンスがいいです。 メモリはビールサーバーがPC2100、うちのPCがPC2700なんですが、なんでこんなに違うんでしょ・・・。 ビデオはさすがに内蔵なのでこんなもんでしょう。でも私がTi 4200を買う前に使っていたビデオカードより早いです。 これなら3Dゲームも多少は動くでしょうね。 最後にハードディスク。壊れたCASIOPEIA FIVAから 取り外した2.5インチのやつにしては、なかなかいい値が出てます。てゆーか右側の値、遅すぎ。

完成!
デキターーー!ということで完成です。
さすがにもったいないのでビールで冷却することはできませんでした。(笑)
パソコンとしての機能には全く支障はなく、ストリーミングもちゃんと見ることができます。 華厳の滝PCのように周囲に水が飛び散ることも少なく、実用的ですね。

2003.08.24 by Kaz


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